またもや美羽の言葉を斬り捨てた。
「もし僕が書くことをやめたら困る人がいる」
だからもし僕が書くのが嫌いになってもやめることはできない。
彼はいくらか悲しそうに言った。
美羽は愚痴らしきものをこぼす、瀬田に驚愕の表情を浮かべた。
まさか彼がそんな弱音を吐くなんて思ってもいなかった。
彼は彼で悩みがある。そんな当たり前のことにも気づけずにいた自分を恥じた。
「………その点、君は好きな時にかけて好きな時に終われる」
結局、瀬田は乾いた声で言った。
「パッと思いついた時、書きたいときに書けるのが一番いいんじゃないのか」


