次の休み時間………といいたいところだったが、次は昼休みだった。
昼休みになると姿を素早く消す瀬田を見つけるのはツチノコを日本で発見するに等しい難易度だ。
早々とあきらめようとしたが、そこで引き下がれる美羽ではない。
なぜ自分がこんな意地になっているのかすら分らぬほど彼女は探した。
3階2階1階はもちろんのこと、準備室、科学室、視聴覚室、食堂………といった特殊教室まで隅々と。
彼女は最後の教室と思われる図書室に降り立った。
美羽たちが通う学園は図書室に力を注いでいない。
新しい本などは3カ月に5冊入ったらいいほうだった。
それを不満に思うのは読書少女だけで、活発化が多いこの学園ではほぼ不満を口にするものは少ない。
それに伴い、利用者も少ない。
そう。それだから彼がいる確率もあがるということだ。
美羽は半端なく立てつけの悪いドアを開けた。


