盛り上がったライブの途中で歌手が引退発言をした時のような空気。 美羽の一言は冷水をぶっかける以上の効果があった。 「いや。なんでもねぇよ」 強し夏目。 鈍感発言に落ち込むことなく気分を保った。 鼻を親指でこする夏目を不思議そうに美羽は見つめた。 「で、男と話すきっかけが欲しいんだろお前は」 「うん」 「普通にすりゃ」 「普通はだめなの!」 最後まで言わさず、美羽はツッコんだ。