「あっ!私トイレ行ってくるね~」 優衣はひきつった笑顔のまま教室から逃げ去った。 「………う~ん」 「どしたー美羽?便秘みてぇな情けない面下げやがって」 八重歯をとがらし、からかってきたのは夏目 弘毅。 美羽の幼馴染だ。 「便秘って………女子にいう言葉じゃないんじゃない?」 むっすり頬杖をかき、腰に手を当ててる夏目を見上げる。 「ほんとのことだから仕方がねぇだろ」 はっはっは、と爽やかに笑う。 その笑みを見ていると、悩んでいたことがばかばかしくなってくる。 夏目の不思議なところだ。