「………ありがとう先生」
「あっ!いっいえ大したことはしてませんよ!ただ僕は質問に答えただけで」
照れてる緒川を削除リストに突っ込んだ。
たわいのない会話でいいのではないか。
「昨日のテレビ見た?」
とか
「課題やってきた?」
とかだ。
しかし、そんな普通の会話が、普通ではない瀬田とかわせるのか。
天才の異名を持つ彼に、そんなくだらない内容で話しかけていいのか。
美羽は混乱して、シャープペンシルを破壊した。
「ひい!?」
それに驚く緒川の悲鳴を、耳に見えぬフィルターを張り聞こえぬようにした。
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