美羽の心情は高波注意報がでていた。


ドキドキとはやる胸を締め付け、斜め後ろに意識を集める。


話しかけてみようか。


美羽は今季最大の決意をしたばっかりであった。


天才作詞家 瀬田 奏と話したのはちょっと前。


2回しか話せなかったうえに交わした言葉はさらに少ない。


もっともっと話してみたいな、と思うのは乙女の原理だろう。


一瞬だけ振り返って彼の姿があるのか確かめた。


いつもどおりに、窓に映る自分の姿を見つめ、息をしているだけ。


つまり何にもしてないに等しい。


チャンスはいまだった。