「………ふぅ」 逃げ去った優衣の背を無言で見送り、美羽は席を立った。 変えるのかと思われたが、その足先は出口とは逆の方角へ。 すると突然美羽は無機質なプラスチックのごみ箱のまさぐりはじめた。 最初はなんでもない顔をしていたが、腕が奥へ奥へ埋まっていくうちにその顔色はけげんそうになっていった。 今日はごみ捨ての日じゃないのに。 遊びまくってる教室の掃除を覗いたから確信を持ってた。 だがないのだ。 「おかしいな………」 誰かが持って行ったのか?と不思議に思った。