「ほんとになんでもないって!」
「見せてよ!」
「しょっしょうもないもんだよ!」
「だったら見せて!」
終わりの見えない応酬に、優衣は苛立ったらしく強硬手段にでた。
美羽が抱え込んでいる腕を無理やりはねのけ、素早くノートを奪い取る。
美羽は驚きで目を丸くし、必死で奪い返そうとするが
「………へ~美羽が、詩ねぇ」
読まれてしまったので後の祭りだ。
真剣な顔で覗き込む優衣に、恥ずかしさで顔を赤くし、美羽は急いでひったくった。
「えっ?なんて?美羽が詩書いたの?」
「へ~見せて見せて!」
黙ってみていた女子たちが会話につられ群がってきた。


