「………ねー!何書いてるの美羽!」 「………はっ!」 いつの間にか教師の声だけが響いていた教室に、複数の男女の笑い声が響いていた。 我に返った美羽は挙動不審に教室内を見渡す。 そこには何の転轍もないいつもの休み時間がある。 だが、それがおかしいような気がしてならない。 さっきまで別の世界に行っていたのに、突然引き戻された気分だ。 あわてて覗き込んでくる優衣から、汚れたノートを隠す。 「なんでもないよ!」 「え~うそ~。ずっと書いてじゃん!」 優衣は知ったような口ぶりで言った。