それからの瀬田の様子は平常、とは言えなくなった。
休み時間話しかけに行っても必ず手もとの紙を、美羽の目の届かないところへさりげなく隠す。
昼ごはんを一緒しようとしてもいつの間にかいない。
付き合った直前には一緒に食べていたというのに。
言うまでもなく彼女の不満を膨れ上がる一方であった。
「………美羽、それお箸」
ボーと虚空を見つめながら食事をしていた美羽に、たまりかねて優衣は言った。
「………うん、わかってるよそれぐらい」
そうは言いつつ、かじかじと箸をかむのをやめない。
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