「瀬田君!一緒に帰ろうよ!」


チャイムが鳴ると同時に美羽は瀬田の席へ滑り込んだ。


彼はいつもどおりに頷き、いつも通りのしぐさで立ち上がった。


だが、慌てて机上のノートを隠したのが気になった。


「ねえ何書いてるの?」


それに関心を持った美羽ははじける笑顔で瀬田に尋ねた。


彼は珍しく目をそらし、ぼそりと教えた。


「………教えない」


「えー?なんで?新曲?」


「教えない」


彼は意地の悪さを見せた。