「まっおめでと」 優衣は頬杖をつきながら祝福の言葉を贈った。 「………ありがとう」 美羽は頬を赤らめながら礼を言った。 巣立ちを迎えた小鳥を見守る親鳥のような気分で優衣は微笑した。 悲しいような嬉しいような。 いろいろな感情が混ざり合ったからこそこんな笑顔になったんだろう、と優衣は自覚している。 哀愁に浸っていると、美羽が思い出したような顔つきになった。 「あっでもきちんと瀬田君にはいってもらってないんだけど」