「そっそうだよね!やる気があれば飛行機だって潜水艦だって作れたんだもんね人間は!」
投げやりな応援を本気にし、美羽は気分を明るくした。
「美羽ー?ちょっといい?」
「あっごめん!ありがとうね!」
女子生徒に名前を呼ばれた美羽はそそくさと優衣の前から姿を消した。
彼女の影を見つめながら、優衣は頬杖をかいた。たそがれている背中からは哀愁が漂っている。
「………まさかねぇ。あの子がね………」
言葉とは裏腹に、優衣の表情は優しげだった。
「………夏目が騒がなかったらいいけど」
そして一気に不安げな表情へ一変した。


