「んなもん即OKしなさいよ」
「でっでも………その」
美羽はこめかみのあたりを爪でこすった。困った時の彼女の癖の一つだった。
「恥ずかしいっていうか………」
「はぁ?」
「やっぱし面と面で向かって言わないといけないじゃない?そっそれがね………恥ずかしいの」
なんじゃそりゃ、と優衣は文字通り脱力した。
彼氏いない歴と年齢が同じのクラスメイトが訊いたら殴りかかってきそうだ。
ほぼ両思いだを分かっているのに、「私も」とか「好き」とかの二文字が言えないのかこのピュアガールは。
「ビビってんじゃない!あんたはやればできる子よ!やれっ!」
そう思ったので優衣は適当に応援した。


