夏目のことも学校側にはばれず、なんとか平穏な日々が戻ったと思った。


そう息をつけたのはつかの間で、美羽は次の瞬間にはっと吐いた息を再び吸い取っていた。


「………返事まだだった」


あの後公園から自動的に解散になったが、その時は瀬田は何も言わなかった。


焦らすことをあきらめ、じっくり待つことにしたのだろう。


だったら美羽も早く決意をコンクリートで固めなければいけない。


「………ちゃんと言わないと」


ギュッと恋愛成就のお守りを握りしめた。


京都に旅行に行っていた親せきのお兄ちゃんが茶化しながらくれたお守りが、今ここにきて役に立てそうな気がする。