「色々と、済まなかったな」


悟ったように夏目は言った。


美羽は目を丸くし、その次に頬を赤らめそして最後には


「これに懲りたら無茶はしないでよ」


と拗ねたような表情になっていた。


「わーたわーた」


くつくつと笑い声を洩らし、夏目は悠々と腰を上げた。


「ちょっとどこ行くのよ!」


「かえんだよ」


彼は首を鳴らしながら後ろを振り返らず歩き続けた。


「………ちゃんと病院行きなさいね!」


美羽は引き留めず、命令するように声を張り上げた。


言葉は返さず、左手を振って別れを告げた。


帰り、CDショップにでも寄ろうと目論みながら。