心当たりのあった公園を駆け巡っていると、どなり声が聞こえた。
すぐにそこに駆けつけると、目的の公園へたどり着けた。
夏目が一人を裏拳で捉えたところだ。
夏目はボロボロで頬から深紅の液体をこぼしていた。土ぼこりや打撲の跡でいっぱいで、見ていられない体なのにまだ抵抗している。
そんな夏目に胸が詰まって、
「夏目っ!」
思わず名を呼んでいた。
夏目へのリンチが止まり、一斉に視線が集まった。あまりの目玉の数に一瞬驚かせながらも、美羽は拳を握った。
瞬時に美羽は夏目へと駆け寄り、しゃがみこんだ。
傍で見るとなお際立って頬の傷が生々しかった。