鉄パイプを振りかざす音が近くなった。 観念して夏目は突きかざしていた右手に力を入れた。 討ち死にをする覚悟で夏目は一歩踏みきった。 彼の右手が一人目の足軽をとらえた時 「夏目っ!」 聞こえるはずのない曇りのない声色が公園内に響き渡った。 全員示し合わせたように動きが止まった。 夏目は信じられない思いでシーソーがある入口に目を向ける。 まっすぐでピュアな瞳をした美羽がそこにいた。