総攻撃を仕掛けてくるのが構えた右手の奥に見えた。


何をしているんだ俺は、と苦笑する。


自ら死ににいっているようなもんだ。いや俺はもう死んでる。


新しい目標も何もなく、ただ無様に生を続けるなんてまっぴらだった。


リンチにされて死ぬことはないだろうが、またひとつ大切なものが死にそうだった。


二番目に大事にしていたプライドすら、捨てようとしているのだ。


一番大切なものがなくなって次のプライドなどもういらない。邪魔なだけだ。


結局いきつく先はここだったな、と自分に言った。


美羽と幼馴染ではなかったら、ここに来るのが早まっていただけだ。


少しの期間でも、生きがいを与えてくれた美羽に感謝しねぇとな。彼はのんきにそう思った。