「………そっそう?」
「今、答えを聞かせてくれるの」
瀬田は幾分か期待していったように思えた。帰る足を止め、板張りの床に足を縫いつけた。聞かせてくれるまで帰らないぞと言っているように思えた。
「えっ!?そっその………」
ほてってきた頬を抑え、美羽はぶつぶつと呟いた。
彼の本心意図を聞けた。後は自分の思いを暴露するだけなのだが。
なぜか夏目の顔が思い浮かんで仕方がない。
夏目が好きなのか、と聞かれても答えようがなかった。別に二股をかけていたわけじゃない。
親友を好きなのは当たり前のことなのではないか。
その親友がまた道を外れかけているのだったら助けるのが当然なのではないか。
まったく別の話題が彼女の頭を占めていた。


