そこだけ抜けていて、ぴったりはまれば全てが理解できるというのに、肝心の部分が当てはまらない。


瀬田がからかうわけないが、万が一ということもある。


勘違いして返事をしたら恥ずかしくて頭から火が出そうだ。


だからこそ慎重にいかなければならない。


「あー………どうすればいいんだろう?」


返事は決まっている。


だが向こう側の意図がつかめない。


半端な宙づり状態に美羽は頭をかきむしった。


方程式が嘲り笑っているような気がした。