「………あれってなんだったんだろ?」


美羽は勉強する手を止め、天井を見上げた。頬が熱かった。


『好きだ』


瀬田の言葉が頭に吸盤で張り付いたようにはなれない。


深い意味はあるのだろうか?それともからかって?


告白の返事より、そっちのことを考えていた。どういう意図であんなことを言ったのか美羽には見当もつかない。


勉強も手に付かなかった。


数学の方程式にピタリと答えが当てはまらなくイライラしていた。


これとおんなじだな、と美羽は思った。