瀬田奏が指定された場所、中庭に移動した瞬間襟首を取られ男の力で強くひき寄せられた。
なかなか整った容姿が眼前にある。
瀬田は無感情その瞳の奥を覗いた。何かに燃えている目だった。
「おいお前………美羽のことどう思ってんだ?」
さっそくストレートに用件を言ってきた。
どうやら彼はマエフリというのを好まないらしい。
「別にどうも」
「うそつくんじゃねぇ」
しめられる力が強くなった。
「………俺はてめぇの本心に聞いてんだ。うそなんて通用しねぇ」
どうやらこの男に嘘や虚勢は通用しないらしい。
そこで瀬田ははっきりと本来の思いを伝えた。
「特別な感情を抱いている。彼女が好きだ」