「ねぇ。何の話なんですか?瀬田君が危ないってどういうことなんですか!」
「おっ落ち着けって!」
血走る勢いで叫ぶ美羽に、手のひらを下に押しやり天然パーマの男子が言った。
「いやな。さっき夏目が瀬田を呼び出したんだとよ。中庭に」
「呼び出し………?」
「そっ、なんか夏目朝から様子おかしかったんだよなぁ」
「サッカーボール破裂しそうな勢いで蹴ってたしな………って喜多川!?」
最後まで天然パーマの男子の言葉を聞かず美羽は走り出した。
昔、小学生のころ気づいたのだ。
夏目はイライラしている時と何か悩んでいるときはそこら辺にあるボールを思いっきり蹴る癖があると。
呼び出しとそれが重なり、信じられない推理が唐突に浮かんだ。


