Loving Expression ~愛を詩にのせて送ろう~



委員会が終わり、美羽はため息をつきながら会議室を出た。


中身のない提案と答えが行きかうだけで何のみのりもない会議だった。


いっそ時間を戻してほしいと思うほど退屈でつまらなものでもあった。


とんとんと踵を合し、美羽は外へ移動した。風が気持ちいい。


校庭の端っこでは野球部が練習している。美羽の目の前をラグビー部が通った。


何故ヘルメットを着けたままランニングをするのだろう、と不思議に思いつつ校門を目指した。


あと数歩で道路へ出るといったところで、ぴたりと美羽の足が止まった。


近くで聞こえてくる会話の内容に反応したのだ。


「なぁ。あれやばくね?」


「やべぇよなあれって。なんで瀬田が夏目に………」


聞き覚えのある単語に美羽は耳を傾けた。


いいことではなさそうな雰囲気だったからだ。