「仕方ないや。優衣先帰ってて」


「オッケー。んじゃあまた明日ね!」


優衣は美羽に手を振り教室から飛び出していった。見たいドラマがあるらしい。


美羽はちろっと教室の後方を見た。


目的の人物は見当たらなかった。帰ってしまったのかもしれない。


その人物の席は窓際なので夕日に照らされ、キラキラ水面のように輝いていた。


本当にそう見えるというのは断言できないが。脳内のどこかの部分が間違った情報を送っているのかもしれない。


息を吐き、美羽はカバンを肩にかけながら教室を出た。