「クリーム、ついてた」


瀬田が片言で説明すると美羽は納得した表情を浮かべた。相変わらず顔が赤い。


「そっそっか。ありがと」


「別に」


そういうと何事もなかったように紅茶をすする瀬田。


美羽はぎこちない動作で再びフォークを握った。


プリンに集中していた優衣がひょいっと顔をあげてみると


「どっどうしたの夏目!顔が引きつってる!」


ワライダケでも食べたように夏目の顔の筋肉はこわばっていた。半分笑半分怒りが混ざったような表情に優衣は仰天した。


「………なんでもねぇ」


彼はコーヒーを煽りごまかした。


優衣は見過ごさなかった。カップを持つ彼の手が震えているのを。