「ねぇ。瀬田君は何にする?」
ちょっと頬を苺色に染め美羽は斜め前方へ眼を動かした。
「………紅茶」
瀬田は瞼を下ろしたまま答えた。
夏目は歯がゆい思いでそれを見守っていた。
おいおい美羽。未来の旦那の前に見知らぬヘッドフォンばかに聞くか普通………
勝手に未来の旦那に昇格していると思い込んでる夏目は地団太を踏んだ。
美羽に聞かれるのを待っていると、
「夏目?とっとと選んでよ」
美羽が急かすように口をあけた。
困ったようにウェイトレスが手元の注文票を叩いている。
夏目以外すでに決まったようだ。
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