「瀬田君も一緒にね」
瀬田君、と強く押し美羽は答えた。
ぐにゃっと不愉快に顔がゆがんだ。夏目は美羽には見せず、優衣のほうに顔をそむけた。見ているだけで悪寒がするほど歪んでいる。
それは美羽が親しげに「瀬田君」呼びをしたからか、一緒にお茶をするという現実に虫唾が走ったのかは読みとれなかったが、とにもかくにも面白くはないらしい。
「なんでなんだよ。なんで俺をよばねぇ」
「だって夏目、忙しいんでしょ?」
上目遣いで言われると文句をいう気も失せたらしい。
夏目はちっと舌を鳴らし、明らかに敵対視している瀬田を睨みつけ
「俺も行く」
とはき捨てた。
「え?部活は?」
「今日は休みだ!」
目が完全に泳いでいたが、美羽はそれを真実と受け取ったようだ。


