「なんか仕事?」
優衣は笑みを崩さず問う。
「そんなんじゃない。けど、テスト勉強が………」
瀬田が最後まで言うのを遮るように優衣はもう一度強く机に張り手を食らわせた。上下する瀬田の肩。
「かー!駄目駄目そんなんじゃ!そんなんだから倒れるのよ!」
厳しく彼の男けのなさを指摘し、優衣は声を張りあげる。
「普通女子に誘われたら一言も二言もなくOKするもんよ!」
「………」
返す言葉もなく、瀬田は意味もなく目をつぶった。かすかに頭痛がしてきていた。
なぜそんなことを言われねばならないのか、彼自身に分かる余地もない。
「美羽をくるし?」
下げていた顔を、彼はゆっくりと上げた。満足げに腕を組む優衣がいる。


