「………プリンが食べたい」


優衣は汚れた天井を見ながら呟いた。


また?と美羽は正面で箸を止めて苦笑する。


「優衣、月に一回はプリンプリン言ってるじゃん」


口に牛蒡サラダを含みながら美羽は返した。


優衣は天井とにらめっこをやめずに言葉を発した。


「食べたいんだから仕方がないでしょう!ああ、あのブラウンの滑らかなカルメラ、それをひき立たせる微甘の生地………あああ!食べたくなってきた!」


どうしてくれんのよ、という目で睨んできた優衣に、美羽は海老フライを差し出した。


「これで我慢してね」


「甘くなーい!」


そう言いつつ、海老フライをちゃっかり貰う。


美羽は優しい笑みで口をもごもごさせる優衣を見つめた。