馬鹿な会話を交わし終えた後は、沈黙が場を包んだ。
誰かと話していないと落ち着かない美羽は、彼といるときは特別だった。
瀬田といるときは大体静寂が訪れる。
初めは戸惑ったが、次第に慣れていった。
むしろ彼と何も語らず、静かに過ごす時間が好きになっていた。
言葉でなくても意思は通じ合っているようだ。
でもいつかは
何でも話し合える二人になりたい。
贅沢にもそう思ってしまうようになっていた。
人はよりいい環境、よりいい関係を無限に追い続けるんだな、と美羽は思う。
欲があるからこそ、人は成長していく。
「………ごめん」
瀬田が言葉を漏らした。


