四方の壁の一面を覆い尽くす賞状の斜め左下には瀬田 奏という名がぽつりと書かれている。
どんな賞なんだろう、と最後の名前を見てみたが知らない名前だった。
がさっと突然物音がした。
びっくりして飛び跳ねる美羽の視線の先には、身じろぎをした瀬田がいた。
「おっ脅かさないでよ………」
いつもより神経が張り詰められているのは分かっていた。
彼の家に上がってるからか、彼と二人きりなせいなのか。
どっちにしろこの緊張の本質は変わらないと思う。
布団に中に潜り込んでいた瀬田がもぞもぞと躊躇うように顔をスポンっとだした。
寝苦しかったのか、顔が酸欠と暑さで熟れている。


