優衣がほろりと漏らしたのと同じに、美羽が台所からリターンしてきた。 「ないんだけどミネラルウォーター!」 「あら。この子お茶派だったかしら」 ………普通の家は、ミネラルウォーターの代わりに水道水があると思うのだが。 「水道水でいいんじゃない?」 「駄目だよ!アルプスの山から湧き出た新鮮な湧水でも足りないぐらいだよ!」 「過保護じゃない?」 優衣の指摘に、美羽は鋭く言い返した。 「病人にきれいな水をとらせてあげるのは当然でしょ!」 瀬田が寝たと思い込んでいるのか、少し小声だった。