「あっ今はその………」
台所で水道水ではなくミネラルウォーターを探している美羽に聞かれないため、優衣は声を落とす。
「瀬田君と仲良くなった子が増えちゃって、話しかけにくいらしいです………」
「………」
瀬田は息をつめた。
最近彼女が会話を求めてこないのはそのためか、と胸のとっかえが取れて気がする。
布団にくるまってる瀬田が身じろぎした。
声を落としたので布団内の瀬田に聞こえないとでも思ったのかもしれないが、残念ながら駄々漏れだ。壁に穴があいてるようによく聞こえる。
「は?奏に仲いいこ?あり得ないわー」
堺はストレートにぶちまけた。
偽善で言葉をつながない彼女のことを尊敬してる瀬田なので、それに怒りを示すことはなかった。


