観念した瀬田がお手製たまご粥を流し込んだのは数分後の話。
ほぼ無理やり飲まされた粥のせいで、体温が急上昇している瀬田に、美羽は優しく問いかけた。
「大丈夫?冷たいものでも持ってこようか」
「………水」
「うん!」
瀬田の一言にうれしそうに頷き、美羽はスリッパを鳴らしながら台所へ消えていった。
堺はその背を見届け、自分の平城体温の頬に手を当てた。
「熟年夫婦みたいねぇあんた達。通じ合ってるというか」
「ラブラブなんですよこの二人!」
「え?それ本当?」
「はいっ!学校ではいつも一緒にいたというか!」
「いたってどういう意味?」
なんで過去形?と堺はマスクをいったん外した。


