ピタッと60度ほどの角度で急停止する瀬田。
どうしたの?と美羽が不安そうにのぞきこんでくるが、驚愕と恐怖に満ちた大きなひとみは、美羽の横をすり抜け素晴らしい笑顔の優衣を凝視していた。
「お粥はあったかいほうがおいしいんだよ………私と、み!は!ね!が一生懸命作ってあげたしね!」
さあ、と湯気が立つ皿を押し付けてくる。
瀬田はずるっと背後に逃げるが、白い壁に衝突して逃げ場を自ら塞いだけだった。
「………」
「あ?疲れすぎて1人食べれないって?じゃあ、美羽がアーンしてくれるって」
「へっ!?私そんなことしないよ!」
真っ赤になって否定する美羽をやはり見ず、いまだに殺気をまとっている優衣を見つめた。
その様子に面白そうに喉を鳴らした堺だった。


