瀬田 奏に休みという娯楽はない。 暇があればたまっている仕事をしているし、暇があってもテレビのオファーなどがくる。 一度彼の肩を見た医師がいたのだが、あまりの肩こりに目を見張ったほどだ。 「ありゃあなんか岩でも揉んでるみたいでしたわ」 医師はそう語っている。 しかしそんな事を気にもかけずに、瀬田は文字を頭の中で踊らせ続けた。 そんなことばかりしているから 体を壊しても無理はない、と自分で自分を嘲笑った。