「私が悩んでいる時なんだよな…………」


「何が」


カバンをかけていた瀬田が振り返った。


「なんでもないよ!」


美羽は明るく返した。


自分の変わり身の早さを呆れつつ、瀬田の背を追った。


センチメンタルな感情は、ちょっとだけハッピーへと移り変わっていった。