「あっちょっとまって!」 しびれを切らした瀬田が解説を棒読みするように美羽の目を見て言うと、彼女は慌てて解答を映し出した。 「ここでは計算をミスが目立つ。落ち着いてゆっくり自分でとけばいい」 「はい!」 瀬田は我慢強いらしく、時計の針が反回転しかけるまで考えている美羽をじらすことなく黙って目をつぶっていた。 「………証明終わり!どう!?」 問題が解けた劣等性は、先生に得意げな顔でノートを突き付けた。 瀬田は無言で受け取り、チェックをする。 しばしばの沈黙。