「………x+y+z=0 のとき y2− xz=z2− xy が成立することを証明せよ」
「?えっえーと………」
美羽は白いページとにらめっこをした。
基礎問題と問い1という文字が嘲け笑っている気がする。
教師の瀬田は美羽が考え込む姿をあたたかいまなざしで見守った。
ちっくったっく
時計の音だけが時の進みを教えてくれた。
「………あっえっとyは2?だから………」
「x+y+z=0 より z=− x− y を代入すると左辺=y2− x(− x− y)=y2+x2+xy=x2+xy+y2右辺=( -x− y)2− xy=x2+2xy+y2− xy=x2+xy+ba2ゆえに………」


