「なっ!」
侮辱された日笠は硬直状態から興奮状態に陥った。
凧のように赤くなった顔を携え、日笠は荒く4脚の椅子から蹴りあがった。
「じゃあ貴方がやってみなさいよ!そこまでいうんだったらできるんでしょうね!」
できなかったらただじゃおかない、と言いたそうに日笠は怒鳴った。
瀬田は作詞家だ。
作詞家は詩を作るだけで楽器演奏などはしない。
それをわかってて無駄に挑発をし、恥をかかせようという戦法だろう。
「………のるわけないじゃん」
そんなバカな挑発に。
「………わかった」
美羽の直感もむなしく、瀬田はあっさりのった。
日笠はフェノールフタレイン液が中和になるように顔の色が引いていった。


