優衣が衝動的に前へ出ようとした時、 それよりも早く金髪に近い少年が動いた。 「………なんですか?次は貴方ですか瀬田君」 瀬田は無言で頷いた。 楽しい雰囲気に水を差したときと同じような重い沈黙が音楽室を埋め尽くす。 楽しくはなかったのだが。 美羽は涙がたまった瞳で、瀬田を振り返った。 無表情をちらりとやり、瀬田は日笠の前に立った。 日笠は挑戦的な目つきで瀬田をにらみつけ、ピアノの弦に手を置いた。 美羽と同じように息を吸い、瀬田は前を見据えたまま歌い始めた。