「先生!! 失礼します!」 小淵は相変わらずせわしない。 「なぁに? 〆切りまだでしょ?」 「今日は打ち合わせですよ! 例の続編の!」 私は、あぁ、と相槌を打ってまたキーボードを叩く。 すっかり忘れていた。 サエキさんのことが 気になっていた。 ふと、小淵はこの付近が地元であったのを思い出した。 私はスケジュール帳を睨む小淵に目をやった。