「何を突然ってさ、アンタわかりやす過ぎんのよ。幼なじみの私が、アンタの挙動不審に気付かないはずないでしょ。で、誰なの?」
う゛…。
やっぱりみんなから見ても、様子おかしかったかな。
「だから~、何を言ってるのか分からないってば」
「ふーん。しらばっくれるわけ。まあいいけど。私が先に奪うから、ミ、ヤ、ケ君を!」
「ちょ…っと、声大きいってば」
「ふふふ。へぇ~、やっぱりそうなんだ。」
くそっ。相変わらずの子悪魔ぶりを発揮するサトコ。オトコの前では、大人しいくせにっ。
「ち、違いますぅ」
「アンタなんでいきなり敬語?もう確定じゃん」
くっ、とぼけたつもりだったけどな。逆効果だったか。
小学生の頃からそうだったけど、サトコは何でもお見通し。
「それしても、入学して四日目に早くも恋に落ちるとは、アンタの惚れっぽさは病気だね、昔からだけど」
サトコの口撃は続く。
けどここは我慢。釣られると、小学生のときみたいになっちゃう。
私は静かに、真剣に恋愛がしたいの。

