コイ ノ カタチ

「トイレ出て右に進んで。そしたらドアがあるから。すっごい景色がきれいだったから、ちょっと見てきなよ」


……って、感心してる場合じゃなかった。


「え?」

「ホラ、早く行っといで」


まだわけがわからない。


だけど、久美に背中を押されて、あたしは飛び出すようにトイレから出た。


このへんの景色、きれいだっけ?


……っていうか、景色見るだけなのに、メイク直す必要ある?


頭の中に“?”をいっぱい浮かべながらも、あたしは素直に右に曲がっていた。




「いったいなんだって……」