コイ ノ カタチ

「な、なに?」

「やっぱ、ここぞって時はちゃんとしないとね」


やっぱりわけがわからない。


でも久美は、そんなあたしにはお構いなしに、あたしにメイクをし始めた。


ファンデで肌色を整えて、チークを少し足す。

淡い色のリップに、つやつやのグロス。




「はい、できた」

「ねぇ、なんなの? いったい……」


鏡に映るあたしは、久美の手によって女子力のアップしたあたしに変身していた。


いつもよりメイクは濃いはずなのに、そんな風には見えないナチュラルさ。


あたしにはマネできない……。