「たまには名前で呼んでもくれれば、もっと好きになるのに」


「……やだ……」

そんな風に言われたら、恥ずかしくなって余計に呼べない。



ホントはね、ちゃんと名前で呼びたいって、思ってるんだよ。





「素直じゃないね」




そう言ってまた近づいたブラックの香りに、あたしはそっと、目を閉じた。