「──ヒトのカノジョに何してんの?」 「!?」 開けっぱなしだったドアの向こうから声がした。 良く知ってる声。 だけど、今は絶対聞こえるはずのない声が──。 「……あんたが、噂の彼氏?」 「噂なんて知らないけど」 部屋の中の温度が一気に下がった気がした。 「遊んでんだろ?」 「まぁ、昔はね」 「否定しないんだ? 成海のこと、本気なのかよ?」 「ちょっと井上……!」 「初対面のキミに言わなきゃいけない?」