証拠はないが、河合亜美の活躍により、三木健介は殺害されたと断定できよう。

五月と秋山、そして新たに出てきた田中の共犯であることは間違いない。

五月が三木健介を酔わせ、深夜何らかの方法で駅南側の路上に運んだ。そこを、人がいないのを見計らって、トラックで秋山がひき殺した。目撃者役の田中が、「急に、歩行者が飛び出した」と嘘の証言をした。そして、三人は落ち着くまで会わないようにしていた。

これで間違いはなかろう。しかし、河合亜美は、『動機』の解明までには至っていなかった。なぜ、三木健介は殺されねばならなかったのか?

そうだ、頭の良い山崎さんに、もう一度バーに来てもらうのがいい。彼女なら何かしらの情報を得てくれるはずだ、と考えた河合は山崎に電話をかけた。

「ということで、もう一度だけバーに来てほしいの」と頼んだ。

山崎は真由美先生にもう二度と勝手はしないとの約束があったが、これを了解した。